発達障害。でも、猫のように、私らしく。#ねこあこ
就労/仕事

本当にコールセンター業務は発達障害者に合わないの?受信&発信で異なります!

こんにちは!ぜろねこ(@ray0_nya3/zero0necco280)です。

あなたの家には、色々なサービスの営業電話がかかってきたことはありませんか?

中にはアヤシイものも紛れていますが・・・、れっきとした大企業の営業電話も多いですね。

「コールセンターって、発達障害者でも、がっちりハマれるヒトがいれば天職になりうるのでは?(かなり稀かもしれないけど)」と以前思ったことがあります。

ネットや本などで調べると、「コールセンターは一貫して発達障害には向いていない」と書かれていることが多いです。

でも、果たしてそうなのでしょうか?

コールセンターに約2年弱勤めたことがある私が、発達障害に向いていると思われる部分と、そうじゃない部分を挙げてみたいと思います。

受信業務/発信業務でそれぞれ異なる

多くのコールセンターでは、「何を話せばいいのか?」、が書いてある台本(マニュアル)が用意されており、研修も事前もあります。

つまり、一通りの知識を学んでから応対します。

なので「突然何もわからないまま、コールセンター業務をやらされた!!(涙)」ということは、めったにありませんのでご安心ください(笑)

また、電話をかける(発信と、かかってきた電話の問い合わせ対応(受信)で、全く相性も仕事内容も変わってきますので、後で詳しく書いていこうと思います。

コールセンターの発達障害者に嬉しい部分(良い所)

  • ずっと座っていられる(ADHDでじっとしているのが苦手な人には苦痛かもしれません。)
  • 発信は同じことの繰り返しの部分もあるので、自然と体で覚えてしまいやすい(ただ、必要に応じて会話を相手に合わせて変えていく必要はあります。)
  • 人の話をじっくり聞くのが苦手でも、何度も電話の会話を経験することで、人の話の聞き方のポイントの抑え方を学ぶことが出来る
  • 敬語の使い方を学ぶことが出来る(但し、カジュアルすぎるコールセンターだと、言葉の指導は全くない場合や、少し雑な所があります。)
  • 他の仕事をしなくていい(雑用など、特にやることが無いため、発達障害者には目的がわかりやすい)
  • PCと電話が目の前にあり、延々と電話をかける(発信)&かかってくるのを待つ(受信)なので、仕事には向き合いやすい
  • 自分だけのスペースが決まっているので、集中しやすい。(没頭しやすい)
  • 事前に電話をかけることを想定した研修、仕事の知識の叩き込み(座学)、電話を掛けるときには話す内容の台本があるので、何をすればいいのかのか、ある程度パターン化できるし予測もつきやすい部分がある
  • 他にも人が沢山いるので、体調が悪くて休んでも文句言われないところもある
  • シフトの融通が利きやすい

また、発信&受信で共通している点でコールセンターの良い所を挙げてみるとすれば、ざっとこんな感じです。

わたしは、「決まった仕事をこなせばいい、雑用はやらされることは無い」というタイプのコールセンターに勤めていました。

その点では、自閉症スペクトラム気味(アスペルガー)の私には気がラクでした。

一方で、「人と会話するのがニガテ」だったので、「難しい質問をされないかな・・・?」とドキドキしていた悪い思い出が、時々よみがえります。

発達障害者がニガテになりやすいところ

  • 相手の言葉や真意、気持ちを汲み取るのがニガテなので仇となりやすい
  • 言葉通り受け取ってしまうので、仇となりやすい
  • 相手の表情がもっとわかりにくい、電話での対話なので普段より言ってはいけない事を口にしてしまう可能性がある
  • PC入力操作をしながら電話対応をしなくてはいけないので、慣れるまではきつい(慣れれば、自然と出来るようになる人も多いです。)
  • クレーム対応のストレスが半端ない
  • 長時間、同じ場所に座ってじっとしてなくてはいけない(ADHDの多動が多い方にはきついかもしれません。)
  • 相手の言ったことに対して、臨機応変に即座に反射するのが難しい

今度は反対に、「苦手になりやすい所」を挙げてみました。

自閉症(アスペルガー)の特性である「相手の気持ちや会話を汲み取るのが難しい」という部分が一番仇になってしまうような気がします。

ADHDであれば、じっとしているのがニガテな場合、「長時間も同じ席に座っているのが苦痛で仕方が無くなる」かもしれません。

ただ、コールセンターでは、電話する場所を何人かに一組ずつ、リーダーのような人がまとめている場合が多いです。

もし、対応に困った場合は保留にして助けを呼ぶことが出来ます。(電話を替わる、という意味ではありません。)

あまり保留にして助けを求めるのはダメですが、もし失敗した場合は何がいけなかったのかを確認してもらえるチャンスも、他の職場より多いかもしれません。(必ずしもフォローが入ると言っているわけではありません。)

受信/発信業務・それぞれの特徴、発達障害との相性

受信業務の発達障害者と相性は?

「受信業務」とひとことで言っても、仕事内容で何を担当するかで、合うか合わないかが変わってくると思います。

コールセンターの受信業務の内容(一部)

  • インターネットであれば「設定・機械の接続方法のお問い合わせ」
  • テレビなどで放映される「通販の商品の申込窓口」
  • クレジットカードの「カード情報変更窓口」など

主に、「商品やサービスに関しての問い合わせ業務」が多いとわかるかと思います。

実際に、トラブルは突然起きるもの。

「クレジットカードを落とした」、「インターネットが繋がらなくなった」、「引っ越すので登録住所の変更をしたい。」

といったこと(あるいはそれに近い出来事)は、あなたの身にも突然起きたことがありませんか?

受信業務は、日々お客さまの問い合わせに対して、臨機応変に対応する力が求められます。

これ、臨機応変が苦手な発達障害者にとってはとても辛いのではないか、と思います。

もちろん、問い合わせ内容はある程度は決まっているので、対応の仕方などの研修はあります。

しかし、予想もしていないクレームや、理不尽な事を言う相手との会話、など常人が耐えるのもきつい部分が多いのです。(コールセンターの時給が比較的高いのは、このためです。)

また理不尽なことを言われても(自分は悪くないのに)、耐えなければなりません。これで結構、メンタルがやられることも多く、つらい場面も多いです。

案外、電話だと顔が見えないので、信じられないような酷い言葉を言ってくる心無い人もいるんです。

コールセンターの受信業務は、ある程度、人と一対一で話すのが大好き、人の困りごとを解決するのが大好き、どんなことを言われても屈しないメンタルがある(色々な対応の仕方を学びたい)、臨機応変は得意、といった方が特に向いていると思います。

発信業務と発達障害者との相性は?

では、発信業務はどうなのか。

よく「光回線に変えませんか?」、「ソーラーを設置しませんか?」などの勧誘電話が、一度は自宅にかかってきたことはありませんか?(中には悪徳な業者も紛れこんでいますが。)

その営業電話をかける仕事が、コールセンターの発信業務になります。

こちらは、コールセンターで独自に用意された台本(マニュアル)に沿って、電話をかけていきます。

ある程度、型が決まっている点では発達障害者にとって嬉しい部分かもしれません。

しかし営業なので、ノルマ(目標)もあります。

「一時間に何件」、「一日に何件」と言うように、会社や業務内容によってまちまちですが、ノルマが設定されています。

中には歩合がつく所もあるので、頑張っただけ給料を上乗せできる、という仕組みをとっているコールセンターもあります。

ADHDの人の中には、「飛込営業ならまかせて!」という方もいらっしゃいますよね。

人と話すのが得意で、相手のニーズになって商品やサービスの提案を出来る人、がこの営業電話には向いているかと個人的に感じます。

特に発信は、他人との会話能力が求められる点(人との信頼関係を築くような会話、コミュニケーションをとっていく)では、受信業務より高度です。

顧客のアフターフォローなどが無い、あくまで「獲得のみ」が目的のコールセンターであれば、向いている方もいます。

ある程度身につくまでは時間がかかりますが、もし自分の特技と合致した場合はとても働きやすい環境になるかもしれません。

どの雇用形態でコールセンターを選ぶべきか

主に雇用形態は、コールセンターの会社に直雇用、派遣会社、などが主流です。

派遣会社ですと未経験でも採用されやすいですが、どういったコールセンターに回されるのかが予測がつかないので注意です。

派遣元から、勤務地の詳細などを明かされていない場合も多く、仕事内容も不透明なことが多いからです。(ただし、仕事自体のハードルは低い可能性があります。)」

確実なのは、コールセンターが直接自社の求人を出している所に応募することです。ただし、派遣と違い求人希望者が多いかもしれません。

シフトに融通が利きやすい側面から、学生さんや主婦の方も多いので人気の案件は締め切られる可能性も高いです。

いずれにせよ、気になった求人があれば、早めに連絡してみるのがオススメです!

短期間のコールセンターのバイトはどうなのか?

なお、短期間の繋ぎとして、コールセンター業務のを選ぶのはありだと思います。

ただ、その場合は、短めの研修→すぐ実践、と割とあっさりした感じで現場に放り込まれることが多いです。

その分、業務内容も難易度が低めの場所も多いので、検討してみるのも場合によってはアリだと思います。

セキュリティ面が厳しい/マニュアルが持ち帰れない事もある

コールセンターはセキュリティにとにかく厳しいです。

知り得た情報、仕事内容(なんの業務を行っているコールセンターなのか、など)を漏らしてはいけない決まりになっています。

セキュリティ面はどこへ行っても大切ですが、特にコールセンターは何度も何度も言われます。

個人情報漏洩などが問題になっているので、セキュリティ面では厳重にしているのです。(漏らした場合、罰せられる可能性などもあることを研修などで言われます。)

その為、マニュアルや台本などは、会社に置いていく仕組み(置き勉)をとっている場所も。

「家に持ち帰って、仕事の復習が出来ないじゃないか!」と思われた方、ごもっともです。

ただ、何度も何度も業務中に同じ内容を話す(とくに発信業務)ので、嫌でも業務内容が体に染みついてきます。言わなきゃいけないことは暗記して、口から反射して出てくるレベルです。

(ただ、臨機応変に気の利いた言葉は出てこないんですが)

同じパターンを繰り返すのが得意で、飛び込み営業で相手の身になって話が出来る人であれば物凄く合う職場だと思います。

また、「マニュアルを職場に置いて帰っても怒られない」、ということはマニュアル自体を持ち歩かなくていいので、荷物が軽いし、家に忘れる心配無用といったメリットもあるんです!

こう見てみると、コールセンターはコミュニケーションが多くて大変そうなイメージですが、裏を返せば発達障害者にぴったりハマる部分も多いと感じて頂けるのではないでしょうか?